部材 鍵
耐用年数 考慮なし
減価方法 紛失は借主全額
根拠 国交省ガイドライン別表第4
鍵はガイドラインで「経過年数は考慮しない」と位置づけられている特殊な項目です。他の部材のように耐用年数や定額法による控除はなく、紛失の場合は借主が交換費用を全額負担します。
負担区分の原則
| ケース | 負担者 |
|---|---|
| 鍵の紛失 | 借主(全額) |
| 鍵の破損(借主の過失) | 借主 |
| 入居者交替時のセキュリティ交換 | 管理側 |
| 鍵の経年劣化による動作不良 | 管理側 |
ガイドラインでは「鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合)」は「物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当」としています。
つまり、入居者が鍵を紛失・破損していない場合の交換は管理側の負担です。
鍵の種類別交換費用
| 鍵の種類 | 交換費用 |
|---|---|
| ディスクシリンダー | 10,000〜15,000円 |
| ロータリーディスクシリンダー | 12,000〜18,000円 |
| ディンプルキー | 15,000〜25,000円 |
| 電子錠 | 20,000〜50,000円 |
紛失時の全額負担
鍵を紛失した場合は経過年数に関係なく借主が全額を負担します。これは鍵の物理的な劣化ではなく、セキュリティの問題だからです。
紛失した鍵が悪用されるリスクを考慮し、シリンダーごとの交換が必要になります。合鍵だけの作成では対応できません。
管理会社向けの実務ポイント
- 入居時に渡した鍵の本数を記録し、退去時に全数回収を確認します。紛失がある場合は交換費用を請求する
- 鍵交換費用を入居者負担とする場合は、契約書の特約に明記する。金額の目安も記載しておく
- 退去のたびにシリンダー交換するか、ローテーション方式(物件間で鍵を入れ替え)にするかは管理方針による。防犯面ではシリンダー交換が望ましい
- 電子錠・スマートロックの物件では、退去時に暗証番号の変更やカード登録のリセットを忘れずに行う
出典・参考文献
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」案内ページ: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
- 国土交通省 ガイドライン本文PDF(鍵交換の負担区分の整理): https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
- 国土交通省 別表第1(鍵交換の事例集): https://www.mlit.go.jp/common/001016455.pdf
- 民法(e-Gov 第621条 賃借人の原状回復義務): https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 消費者契約法(e-Gov 第10条 消費者の利益を一方的に害する条項の無効): https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061
- 国民生活センター 賃貸住宅退去時のトラブル相談事例(2021年7月公表): https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210701_1.html