家賃保証料の勘定科目と消費税扱い - オーナー・法人の経理処理ガイド

賃貸管理会社の経理デスク。帳簿と請求書、電卓、表計算ソフトを開いたノートパソコンが並んでいる

家賃保証料の経理処理は、「誰が負担したのか」「何の契約に基づく支払いなのか」「保証期間はいつからいつまでか」で変わります。

借主が保証会社へ直接支払う保証料、オーナーが募集促進のために負担する保証料、管理会社が一時的に立替える保証料では、同じ「家賃保証料」でも会計処理が違います。

さらに、消費税では住宅家賃と保証料が別々の理由で非課税になります。同じ「非課税」でも根拠が違い、保証委託料に事務手数料が含まれていればその部分の扱いも変わります。名目だけで税区分を判断すると誤りにつながります。

この記事では、管理会社・オーナー向けに、家賃保証料の勘定科目、消費税、損金・必要経費、立替処理、インボイス対応を整理します。

家賃保証料の経理処理の基本

家賃保証料は、保証会社が借主の家賃債務等を保証するサービスに対する対価です。賃貸借契約の家賃ではなく、保証委託契約や保証契約に基づく支払いです。まず負担者を確認します。

負担者よくある支払先会計上の出発点
借主保証会社、仲介会社、管理会社経由借主側の費用。オーナー経理には通常入れない
オーナー保証会社、管理会社不動産所得・賃貸事業の費用として検討
法人入居者保証会社、管理会社法人の賃借に伴う費用として処理
管理会社一時立替、または自社負担立替金か自社費用かを契約で判定

最初に避けたいのは、初期費用明細に保証料が載っているだけで、オーナーの経費に入れてしまう処理です。借主が支払う保証料は、借主の契約費用です。

オーナーが受け取って保証会社へ支払う形でも、預り金・立替金の性質なら、オーナーの収益や費用に総額で入れる処理は慎重に見ます。

一方、空室対策としてオーナーが初回保証料を負担するキャンペーンを行う場合は、オーナーの賃貸事業のための支出になります。この場合、支払手数料、広告宣伝費、販売促進費、保証料など、社内科目体系に合わせて処理します。

保証期間が複数年に及ぶ場合は、前払費用として期間対応するかを確認します。

勘定科目の選択

家賃保証料の勘定科目に、全社共通の一つの正解があるわけではありません。重要なのは、負担者・支払目的・期間対応を継続して処理することです。

科目候補使いやすい場面注意点
支払手数料保証会社への保証サービス対価として処理保証期間が長い場合は前払費用を確認
保証料科目体系に保証料を設けている法人保険料や金融保証料と混同しない
前払費用翌期以降に対応する保証料がある期間配分と短期前払費用の要件を確認
地代家賃借主側で賃借に伴う費用としてまとめる場合家賃本体と保証料の税区分を分ける
広告宣伝費・販売促進費オーナーが入居促進のため初回保証料を負担実態が保証サービス対価なら説明を残す
立替金管理会社が借主・オーナーのため一時払い自社収益・自社費用と混ぜない

借主側、特に法人入居者では、地代家賃に含めて処理する会計方針もあります。ただし、家賃本体と保証料では消費税区分が異なることがあります。

住宅用社宅の家賃も保証料本体も非課税ですが、保証委託料に含まれる事務手数料は課税になり得ます。科目をまとめても、税区分は明細で分ける必要があります。

オーナー側では、保証料が入居者負担かオーナー負担かを契約書と精算書で確認します。募集条件として保証料をオーナーが持つかどうかの考え方は家賃保証会社のオーナー活用ガイドで扱っています。管理会社の月次報告書に「保証料」と記載があっても、借主から預かったものを保証会社へ支払っただけなら、オーナーの損益ではありません。オーナーが実質負担した場合だけ、賃貸事業の費用として検討します。

消費税の扱い(非課税と課税の切り分け)

消費税では、住宅の貸付けは非課税とされています。国税庁のタックスアンサーでも、住宅の貸付けは非課税であり、家賃には返還しない敷金・保証金・一時金等を含むと整理されています。一方、事務所などの建物貸付けの家賃は課税対象です。

家賃保証料は「住宅家賃」そのものではありませんが、住宅家賃とは別の理由で非課税になります。消費税法別表第二第3号は、非課税となる取引として「信用の保証としての役務の提供」を挙げています。消費税基本通達6-3-1も、同号により非課税となるものとして「信用の保証料」を明示しています。

家賃債務保証は、保証会社が借主の家賃債務を保証するもので、信用の保証にあたります。そのため、保証料の本体部分は非課税として扱うのが基本です。

ただし、保証委託料として請求される金額に、保証そのものの対価とは別の役務の対価が含まれていることがあります。事務手数料、更新事務手数料、収納代行手数料といった名目で区分されている部分は、役務提供の対価として課税になり得ます。

請求される「保証委託料」を分解すると、税区分は次のように分かれます。

請求書上の「保証委託料」の中身 保証料の本体 非課税 別役務の手数料等 課税になり得る 根拠: 消費税法 別表第二 第3号 「信用の保証としての役務の提供」 消費税基本通達6-3-1(2)「信用の保証料」 ※区分の有無と割合は保証会社・商品で異なります
保証委託料は「保証そのものの対価」と「それ以外の役務の対価」に分かれる。別個の役務の対価として区分される場合は課税になり得る。
支払い消費税の見方
住居用家賃原則非課税
事業用店舗・事務所家賃原則課税
返還される敷金課税対象外
住居用の返還しない一時金住宅貸付けの対価として非課税になり得る
事業用の返還しない保証金等課税対象になり得る
家賃保証会社の保証料(保証の対価)信用の保証料として非課税が基本
保証委託料に含まれる事務手数料等役務提供の対価として課税になり得る

実務では、保証会社の請求書、保証委託契約、初期費用明細を確認します。名目ではなく、何の対価として請求されているかと、請求書上の税区分表示を見ます。

管理会社が初期費用を一括で受け取る場合も、家賃、敷金、礼金、火災保険料、保証料、仲介手数料、鍵交換費用の税区分を分けて表示します。

住居用と事業用が混ざる物件では、さらに注意が必要です。店舗併用住宅、社宅、民泊、マンスリー利用、駐車場別契約などでは、住宅貸付けとして非課税になる範囲と、別建ての課税取引になる範囲を分けます。敷金に消費税はかかる?でも、住宅用・事業用の分岐を整理しています。

請求書が課税で来ているときにどうするか

条文上は非課税が基本ですが、実際の請求書が課税表示になっている、あるいは事業用テナントの契約で課税として請求されている、という場面はあります。保証契約に内在する督促や代位弁済への対応は、保証料の本体に含まれることがあります。一方、収納代行手数料や事務代行手数料のように、保証とは別個の役務として区分されているものは課税になり得ます。

このとき、請求書の表示だけで機械的に処理を決めないでください。次の順で確認します。

  1. 保証委託契約で、その金額が何の対価として定められているかを読む
  2. 保証会社に、課税・非課税の内訳と、課税としている理由を確認する
  3. 内訳が取れたら、非課税部分と課税部分を分けて記帳する
  4. 内訳や課税とする根拠が確認できない場合は、仕入税額控除を取る前に保証会社へ内訳の確認または請求書の修正を求める。判断の根拠を残せないときは税理士に確認する

自社の判断を変えるときは、過去の処理との継続性も確認します。同じ保証会社の同じ商品を、年度によって課税・非課税と揺らさないことが大切です。工事費側の税区分と科目は原状回復工事の勘定科目と消費税で整理しています。

個人オーナーの経費計上

個人オーナーが家賃保証料を負担した場合、不動産所得を得るために必要な支出であれば必要経費として検討します。

たとえば、入居促進のためにオーナーが初回保証料を負担する、保証会社切替時に既存入居者分の費用をオーナーが負担する、管理委託契約上オーナー負担の保証関連費用が発生する、といったケースです。

一方、借主が保証料を直接支払う場合、オーナーの必要経費にはなりません。管理会社の精算書で保証料が一時的に通過している場合でも、借主から預かって保証会社へ渡しただけなら、オーナーの所得計算に含めない処理が自然です。

個人オーナーが確認すべき資料は次の通りです。

  • 賃貸借契約書、保証委託契約書、保証会社の請求書
  • 初期費用明細、管理会社の月次精算書
  • 誰が保証料を負担するかを示す募集条件
  • 保証期間、更新保証料、返金有無
  • 消費税区分、税込・税抜表示

不動産所得の計算では、支払った年に全額必要経費にできるか、翌年以降に対応する前払費用として配分するかが問題になります。

金額が小さい場合でも、複数物件で同じ処理を継続することが大切です。申告全体の組み立ては賃貸経営の確定申告ガイドを参照してください。個別の税務判断は、確定申告資料をそろえて税理士へ確認してください。

法人オーナーの損金算入

法人オーナーが家賃保証料を負担する場合、法人税では損金算入時期を確認します。保証料が一定期間にわたり保証サービスを受けるための支出であれば、原則として期間に応じて費用化する考え方になります。

翌期以降の保証期間に対応する部分は、前払費用として資産計上する処理を検討します。

国税庁のタックスアンサー No.5380 は、短期前払費用について、支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係る前払費用を、継続して支払日の属する事業年度の損金に算入している場合、支払時点で損金算入できる扱いを示しています。

家賃保証料がこの考え方に乗るかは、保証期間、支払時期、継続適用、収益との直接対応の有無を確認します。

なお、家賃保証料の損金算入時期の根拠として法人税基本通達7-3-7を挙げる解説を見かけることがあります。同通達は国税庁の現行目次上、固定資産の取得価額に関する節に位置付けられており、家賃保証料の損金算入時期を直接説明する根拠として扱うのは慎重に見るべきです。

家賃保証料の期間対応では、短期前払費用の法基通2-2-14、法人税法上の債務確定、会計上の重要性を中心に確認します。

法人オーナーの仕訳例は次の通りです。保証料の本体部分は非課税として扱い、仮払消費税等を立てない前提で示します。科目名は会社の会計方針に合わせます。

ケース借方貸方
1年分の保証料55,000円を支払った(短期前払費用の要件を満たす前提)支払手数料55,000普通預金55,000
2年分132,000円を一括で支払った前払費用132,000普通預金132,000
決算で当期対応分(12か月分)を費用へ振り替えた支払手数料66,000前払費用66,000
保証料55,000円に事務手数料5,500円(税込)が加算されていた支払手数料(保証料・非課税)55,000、支払手数料(事務手数料・課税)5,000、仮払消費税等500普通預金60,500

最終行のように、請求書で保証料本体と事務手数料が区分されている場合は、非課税部分と課税部分を分けて記帳します。会計ソフトの税区分を行ごとに設定できるかを確認してください。

1年分を支払ったケースを支払時点で全額損金にできるかは、短期前払費用の要件を満たすかで決まります。2年分を一括払いしたケースでは、支払時点で全額費用にする処理は説明が必要です。保証期間で按分し、当期対応分だけを費用に振り替えるのが基本形になります。

按分の考え方は、総額を保証期間の月数で割って月額を出し、保証開始日から決算日までの経過月数を掛けるのが実務的です。2年(24か月)分132,000円を4月1日から保証開始、決算が3月31日であれば、当期対応は12か月分の66,000円になります。保証開始が期中であれば、その月数で計算します。

2年分132,000円を4/1開始で払った場合 4/1 3/31 決算 翌々3/31 当期 12か月 66,000円 翌期 12か月 66,000円 支払時 前払費用 132,000 / 普通預金 132,000 決算時 支払手数料 66,000 / 前払費用 66,000 月額を出し、経過月数を掛けて当期分を求めます。 短期前払費用の特例が使えるかは要件を確認します。
決算日で区切って当期対応分だけを費用に振り替える。支払時点で全額を費用にするなら根拠の説明が要る。

前払費用か繰延資産か — 迷いやすい分かれ道

保証料の解説では「20万円未満なら一括で経費にできる」という説明をよく見かけます。これは繰延資産に該当する場合の話で、前払費用として処理すべきものには当てはまりません。両者は税法上、明確に別のものとして定義されています。

法人税法施行令14条1項は、繰延資産を定義する際に「資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用を除く」と明記しています。同条2項は前払費用を「一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出する費用のうち、その支出する日の属する事業年度終了の日においてまだ提供を受けていない役務に対応するもの」と定義しています。

一方、同条1項6号は、支出の効果が1年以上に及ぶ費用として、ロに「資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用」、ハに「役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用」を挙げています。

保証料はどちらに当たるか 保証期間に対応して継続的に 保証という役務を受ける対価か はい いいえ 前払費用 保証期間で按分 令14条2項 繰延資産 均等償却 令14条1項6号 20万円未満なら 支出時に損金(令134条) ※前払費用に令134条の適用はありません
「20万円未満なら一括」は繰延資産に当たる場合の話。前払費用と整理したものには使えない。
区分根拠該当しやすい保証料の性質費用化の考え方
前払費用法人税法施行令14条2項保証期間にわたって継続的に保証という役務を受ける対価保証期間で按分。短期前払費用の要件を満たせば支払時損金
繰延資産法人税法施行令14条1項6号ロ・ハ契約を締結するための一時金に近く、期間との対応が明確でない令64条で均等償却。20万円未満は令134条で支出時に損金算入できる

この分岐が実務で効くのは、20万円未満の一括損金(令134条)が使えるかどうかが変わるためです。令134条は「令64条1項2号に掲げる費用」、つまり均等償却を行う繰延資産に限って適用されます。前払費用と整理した保証料に、この規定は使えません。

どちらに当たるかは、保証委託契約の内容で判断します。次の点を確認してください。

  • 保証期間が明示され、期間に対応して保証という役務を継続的に受ける建て付けか
  • 中途解約したときに未経過期間分の返還があるか(返還は期間対応を裏づける補助事実。返還がなくても、保証期間に対応して継続的に役務提供を受ける対価であれば前払費用として検討します)
  • 契約締結の対価としての一時金の性格が強く、期間との対応が曖昧か(繰延資産に寄る)

判断に迷う場合は、金額の重要性と継続適用の観点から会計方針を決め、その根拠を残します。同じ性質の支出を年度ごとに違う処理にしないことが大切です。個別の判断は顧問税理士に確認してください。

初回保証料と更新保証料で処理が変わる点

保証委託契約では、契約時に支払う初回保証料と、その後に発生する更新保証料の2つが出てきます。同じ「保証料」でも、対応する期間が違うため会計処理の論点も変わります。

初回保証料の対応期間は、保証プランと契約によって変わります。翌期以降に対応する部分が含まれるなら前払費用の検討対象になり、1年以内で完結するなら短期前払費用の要件を確認する場面です。まず保証委託契約書で保証期間を確認してください。

更新保証料は、更新後の期間に対応する支出です。支払時期と対応期間が同じ事業年度に収まるなら、当期の費用として処理しやすくなります。ただし、決算日をまたいで更新する入居者では、翌期対応分が残ります。

区分発生時期対応期間経理上の主な論点
初回保証料賃貸借契約時契約・プランによる前払費用の要否、短期前払費用の要件
更新保証料保証期間の更新時更新後の期間決算日をまたぐ場合の期間按分
月額型の保証料毎月当月当月費用として処理しやすい

保証会社によっては、初回保証料に加えて月額または年額の保証料を設定している商品があります。契約している保証プランがどの型かは、保証委託契約書と請求サイクルで確認します。

管理会社側では、更新保証料の管理が実務の負担になりやすい部分です。入居者ごとに更新月が異なるため、更新月一覧を保証会社別に持ち、請求・入金・保証会社への送金を突き合わせられる状態にしておきます。

更新保証料が未請求・未収のまま残ったときに保証がどう扱われるかは、保証委託契約と保証会社の運用によって変わります。実際に滞納が起きたときの流れは家賃滞納で保証会社が代位弁済する流れで整理しています。自動更新の可否、未収時の取り扱い、保証会社側の通知要件を契約書で確認しておくと、会計処理より先に手を打てます。

管理会社が立替えた場合の処理

管理会社が保証料を扱う場面は多くあります。入居申込時に初期費用として借主から受け取り、保証会社へ支払う。オーナー負担分をいったん管理会社が立替え、月次送金で相殺する。保証会社から管理会社へ代理店手数料が支払われる。これらは同じ「保証料」でも処理が異なります。

借主負担分を一時的に預かるだけなら、管理会社の売上ではなく預り金や立替金です。保証会社から管理会社へ手数料が支払われる場合は、その手数料部分だけが管理会社の売上になります。保証料の総額と自社報酬を分け、請求書や支払明細で消費税区分を確認します。

ケース借方貸方
借主から初期費用として保証料60,000円を預かった普通預金60,000預り金60,000
預かった保証料を保証会社へ支払った預り金60,000普通預金60,000
保証会社から代理店手数料5,500円(税込)を受け取った普通預金5,500売上高5,000、仮受消費税等500
オーナー負担分30,000円を立替えた立替金30,000普通預金30,000
立替分を月次送金で相殺した預り家賃等30,000立替金30,000

管理会社が代理・預りとして保証料を取り次ぐだけなら、保証料本体は管理会社の売上にも仕入にも含めません。保証委託契約の当事者は借主と保証会社だからです。

ただし、自社が保証契約の当事者として関与する、請求名義が管理会社になる、保証料と自社手数料を相殺して精算するといった形では、総額処理か純額処理かの判断が変わります。契約書と請求書の名義を確認してください。保証会社から受け取る代理店手数料や事務手数料は、保証料本体とは別に区分して処理します。

オーナー負担分を立替えた場合は、オーナーへの立替金や未収入金として処理し、月次精算で回収します。管理会社の月次報告書では、保証料、立替日、保証会社名、対象入居者、回収日を明細化します。総額で管理料に混ぜると、オーナーの経理処理が難しくなります。

インボイス制度下での扱い

インボイス制度では、課税仕入れとして仕入税額控除を受けるには、原則として適格請求書の保存が必要です。

保証料の本体部分が非課税であれば、その部分はそもそも仕入税額控除の対象になりません。適格請求書の保存が問題になるのは、保証委託料のうち事務手数料など課税として区分された部分です。請求書で課税・非課税の内訳がどう表示されているかを先に確認します。

課税部分がある場合は、保証会社が適格請求書発行事業者か、請求書に登録番号・税率別金額・消費税額が記載されているかを見ます。

管理会社が立替えた場合、誰が保証サービスを受け、誰が課税仕入れを行ったのかを整理します。借主が保証会社と保証委託契約を締結し、管理会社が単に初期費用を取り次いだだけなら、借主側の費用です。

法人入居者からインボイスを求められる場合は、保証会社の請求書・領収書をどう交付するかを事前に決めます。

オーナー負担で、かつ請求に課税部分が含まれる場合は、オーナー宛の請求書があるか、管理会社の精算書で適格請求書の要件を満たせるかを確認します。立替金精算書だけでは仕入税額控除の証憑として不足することがあります。課税部分の適格請求書、管理会社の立替精算書、オーナー負担を示す契約条項をそろえます。

免税事業者のオーナーでは、仕入税額控除そのものは問題になりにくいものの、支出の内容と負担者を説明できる資料は必要です。将来課税事業者になった場合や、法人化した場合に備え、保証料明細の保存形式を整えておくと移行が楽になります。

保証会社名で調べても税区分が出てこない理由

「保証会社名+消費税」で検索しても、たいていは答えが見つかりません。保証会社が公開している料金案内は、契約前の検討材料として金額と割引の条件を示すもので、税区分は請求書と契約書で示される性質の情報だからです。

税区分は会社ごとに決まるものではなく、請求されている金額が何の対価なのかで決まります。保証そのものの対価であれば非課税、事務手数料など別個の役務の対価として区分されていれば課税になり得る、という判断の枠組みは、保証会社が変わっても同じです。

例として、フォーシーズ株式会社の公開情報を見てみます。登録番号と適格請求書発行事業者の番号を公式サイトで公表している会社なので、公開情報だけでどこまで分かるかを確かめやすい例です。

確認できること内容
初回保証委託料月額賃料等の1か月分から算出。標準の最低額は35,000円だが、トランクルームプランは最低10,000円、学生&新社会人プランは一律8,500円と、プランによって下限が異なる
年間保証委託料1年ごとに発生。1年間の賃料延滞回数が0回か1回なら10,000円、2回なら基本額の50%に割引(最低35,000円)、3回以上は割引なし。基本額はプランによって異なる
家賃債務保証業者の登録国土交通大臣(2)第7号
適格請求書発行事業者の登録番号T4010401048781(登録年月日は令和5年10月1日)
消費税の課税・非課税の区分会社概要とよくあるご質問には記載がない

出所は次のとおりです(いずれも2026年9月20日に確認)。

金額の体系と登録番号は公開情報で分かる一方、税区分は手元の請求書と保証委託契約書を見ないと決まりません。なお、ここで確認したのは会社概要とよくあるご質問の2ページで、約款やサービスマニュアルなど契約者向けの書類は見ていません。

手元の書類で確認する順番

  1. 請求書の内訳を見る。「保証委託料」が1行でまとまっているか、保証料と事務手数料が分かれているかを確認します
  2. 分かれている場合は、それぞれの税区分の表示(非課税・課税10%など)を見ます
  3. 1行でまとまっていて税区分の表示もない場合は、発行元に内訳と税区分を確認します。名目だけで判断しません
  4. 課税部分がある場合は、登録番号が請求書に記載されているかを確認し、国税庁の公表サイトで番号を照合します

公表サイトで番号を入力すると、氏名または名称、登録年月日、最終更新年月日、登録以後の履歴が表示されます(法人であれば本店または主たる事務所の所在地も表示されます)。請求書の記載と公表内容が食い違う場合は、仕入税額控除の可否に関わるため発行元に確認します。

なお、保証委託料の金額や割引の条件は改定されることがあります。社内資料に転記するときは、確認した日付を残しておくと、次に見直すときの判断が早くなります。

実務チェックリスト

家賃保証料の処理では、毎回の判断を担当者任せにしないことが重要です。管理会社やオーナー法人では、次のチェックリストを使うと混乱が減ります。

チェック項目確認内容
負担者借主、オーナー、管理会社のどれか
契約保証委託契約、賃貸借契約、管理委託契約のどれに基づくか
期間初回のみ、月額、年額、複数年、更新ごとのどれか
税区分保証料本体(非課税)と事務手数料等(課税)が分かれているか
請求書課税・非課税の内訳、登録番号、税率別金額があるか
会計処理費用、前払費用、立替金、預り金のどれか
精算月次報告書で対象入居者・部屋番号と紐づくか

特に、保証委託料を1行でまとめて受け取っている場合は、事務手数料が含まれているかを保証会社に確認します。オーナー法人では、保証料を「支払手数料」にしても、翌期分を含むなら前払費用の検討を忘れないようにします。

まとめ

家賃保証料の勘定科目は、支払手数料、保証料、前払費用、立替金などが候補になります。名前で決めるのではなく、誰が負担し、どの期間の保証サービスを受け、管理会社が単に取り次いだだけなのかを確認します。

消費税では、保証料の本体部分が信用の保証料として非課税になる点と、保証委託料に含まれる事務手数料が課税になり得る点を分けて押さえます。保証会社の請求書、保証委託契約、初期費用明細、管理会社の精算書をそろえれば、オーナー・法人入居者・管理会社のどの立場でも説明しやすくなります。保証会社の選定実務は家賃保証会社の比較・選定ガイドも確認してください。

関連法令・出典

よくある質問

家賃保証料の勘定科目は何が正解ですか?
借主やオーナーが保証会社へ支払う保証料は、実務上は支払手数料、保証料、前払費用などで処理されることが多いです。入居者が自分の賃貸借契約のために負担する場合、オーナーの経費にはなりません。法人オーナーが自社で負担する場合は、契約期間に応じた期間対応を確認します。
家賃保証料の消費税は課税ですか?非課税ですか?
家賃債務保証料の本体部分は非課税として扱うのが基本です。消費税法別表第二第3号が「信用の保証としての役務の提供」を非課税とし、消費税基本通達6-3-1も「信用の保証料」を挙げています。ただし、保証委託料に事務手数料・更新事務手数料などが区分して含まれている場合、その部分は役務提供の対価として課税になり得ます。請求書の税区分表示で、保証料本体と手数料部分を分けて確認します。
個人オーナーの経費計上方法は?
個人オーナーが保証料を実際に負担し、不動産所得を得るために必要な支出であれば必要経費として検討します。借主が保証会社へ直接支払う保証料は、オーナーの収入にも経費にも通常入りません。家事用物件、社宅、事業用テナントが混在する場合は、物件ごとに負担者と用途を分けます。
管理会社が立替えた場合の仕訳は?
管理会社が借主やオーナーのために一時的に保証料を立替えるだけなら、立替金や未収入金で処理し、回収時に消し込みます。管理会社自身の手数料収入がある場合は、立替部分と自社報酬を分けます。総額を売上にするか純額処理にするかは契約実態と会計方針で確認します。
インボイス対応で何が変わりましたか?
保証料の本体部分が非課税であれば、その部分は仕入税額控除の対象になりません。適格請求書の保存が問題になるのは、保証委託料のうち事務手数料など課税として区分された部分です。請求書で課税・非課税の内訳がどう表示されているかを確認し、課税部分があれば登録番号と税率別金額の記載を見ます。

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