家賃保証会社の比較・選定ガイド - 信販系・LICC系・CGO系・独立系の特徴と評価指標

家賃保証会社を調べていると、信販系、LICC系、CGO系、独立系という分け方に行き当たります。ただこの分類は、会社を絞る入口にはなっても、選ぶ基準にはなりません。

審査の通りやすさ、保証範囲、代位弁済の早さ、管理画面の使いやすさ、求償時の苦情対応は、同じ類型の中でも会社ごとに違います。入居者を集めやすい会社が、オーナー送金や退去精算まで含めて扱いやすいとは限りません。

デスクに並べられた3冊の書類ファイルとペン。真上から見た構図

しかも、類型の説明でよく使われてきた前提が1つ消えています。LICCが2010年から運用してきた代位弁済情報(家賃情報)データベースは、2026年3月末日で運用を終了しました。

一方で、住宅確保要配慮者が利用しやすい業者を国が認定する制度が2025年10月に始まっています。この2つを反映していない社内資料は、すでに古くなっています。

管理会社に必要なのは、特定の会社を推奨することではなく、自社の物件・入居者層・管理フローに合う保証会社を選ぶための評価表です。この記事では4類型を公式の会員一覧で整理したうえで、保証範囲、代位弁済日数、審査基準、保証委託契約書の条項、国交省の登録と認定の確認方法をまとめます。

家賃保証会社の4類型

家賃保証会社は、信販系、LICC系、CGO系、独立系の4類型で整理できます。信販系・LICC系・独立系の3つで説明する記事も多いのですが、CGO(一般社団法人 全国保証機構)に加盟する会社をまとめて独立系に入れてしまうと、自主ルールや相談窓口の有無を見落とします。

この分類は法律上の区分ではなく、実務上の目安です。信販会社グループでも家賃保証に特化した商品を持つ会社、団体に加盟したうえで独自審査を併用する会社、地域密着型で複数の商品を扱う会社があります。

信販系は、クレジットカード会社や信販会社のグループ・提携により、信用情報や決済機能を活用するタイプです。家賃のカード決済、口座振替、与信管理と相性がよい一方、信用情報に懸念がある申込者では否決されやすいことがあります。

LICC系は、一般社団法人 全国賃貸保証業協会(LICC)の正会員です。2026年3月末までは、加盟会社間で代位弁済情報(家賃情報)を共有するデータベースが審査上の特徴とされていました。

ただしこのデータベースは2026年3月末日で運用を終了しています。いま加盟の有無を見るなら、情報共有ではなく協会の活動や会員としての位置づけを材料にすることになります(次の節で詳しく扱います)。

CGO系は、一般社団法人 全国保証機構(CGO)の会員です。CGOは2009年に一般社団法人賃貸保証機構として設立され、2021年6月に現在の名称へ変わりました。他社の解説に出てくる「LGO」は、この改称前の名前を指しています。

賃貸保証事業部会が自主ルールを定めており、契約前の説明、審査、求償権の行使、相談窓口の設置までを条文で決めています。この点が管理会社にとっての確認材料になります。

独立系は、信販系にもLICC・CGOの加盟にも当てはまらない保証会社です。自社データ、申込内容、勤務先、緊急連絡先、収入、居住目的などを総合して審査する会社が多く、地域性や属性に応じた柔軟な対応を期待できることがあります。一方、会社ごとの差が大きいため、保証範囲と回収対応を個別に確認する必要があります。

類型主な特徴管理会社の確認点
信販系信用情報・決済連携に強い否決時の代替会社、カード決済手数料
LICC系全国賃貸保証業協会の正会員情報共有は2026年3月末で終了。審査説明の前提が変わる
CGO系全国保証機構の会員。自主ルールあり説明義務・求償権行使・相談窓口の運用
独立系上記のいずれにも属さない財務基盤、送金実績、求償品質
類型は排他的ではない LICC 正会員 全国賃貸保証業協会 11社 2026年4月現在 CGO 正会員 全国保証機構 28社 2026年9月現在 両方に加盟している 3社 アーク/エルズサポート/ニッポンインシュア 信販系 信用情報・決済連携 独立系 いずれにも属さない
会社名で類型を決めず、商品名・保証範囲・審査ルート単位で比較する。

2026年4月、LICCの家賃情報データベースは運用を終了した

「LICC系は滞納履歴が共有されるので審査が厳しい」と説明する記事は今も多く残っています。ただし、その根拠になっていた仕組みは、すでにありません。

LICCは賃貸保証会社の適正審査を目的として2010年から代位弁済情報(家賃情報)データベースを運用してきましたが、2026年3月末日をもって運用を終了し、協会が保有していた情報はすべて破棄されました。あわせて、借主本人が自分の登録情報の開示を請求する手続きも終了しています(来所での受付は2026年3月13日まで、郵送は3月31日到着分まで)。

管理会社の実務では、次の3点が変わります。

  • 社内マニュアルやオーナー向け資料に「LICC加盟だから滞納履歴が見える」と書いている場合は、その前提が成り立たなくなっているので改める
  • 申込者への説明で「LICCに情報が登録される」と案内していた場合、その案内は使えない
  • 過去に「LICCで自分の情報を開示してもらってほしい」と案内していた場合、その窓口はもうない

一方で、審査が緩くなったと考えるのは早計です。各社は自社の利用履歴、信用情報(信販系)、申込内容、勤務先、緊急連絡先などをもとに審査を続けています。変わったのは協会をまたいだ共有であって、各社の審査そのものが消えたわけではありません。保証会社を切り替える判断材料にするなら、共有の有無ではなく、その会社の承認率と滞納発生率の実績を見ます。

加盟会社は、まとめ記事ではなく公式の一覧で確認する

「LICC加盟会社13社」「CGO系一覧」といった一覧を載せた記事は多数ありますが、公式の一覧と突き合わせると顔ぶれが違うことがあります。加盟状況は入退会で変わるため、選定資料に使うなら各団体の公式ページを見ます。

LICCの正会員は、公式の一覧で11社です(2026年4月現在)。アーク、エルズサポート、K-net、興和アシスト、ジェイリース、大成保証、宅建ブレインズ、テンポスバスターズ、ニッポンインシュア、ランドインシュア、ルームバンクインシュアの各社です。

CGOの正会員は28社で、日本セーフティー、Casa、フォーシーズ、ナップ賃貸保証、あんしん保証などが掲載されています(2026年9月現在)。

ここで注意したいのは、両方の一覧に載っている会社があることです。アーク、エルズサポート、ニッポンインシュアの3社は、LICCとCGOの双方の会員一覧に掲載されています(各社の公式サイトのドメインが両一覧で一致することを確認しました)。

「LICC系か、CGO系か、独立系か」を排他的に振り分ける説明は、この時点で実態と合いません。会社名で類型を決めるのではなく、商品名・保証範囲・審査ルート単位で比較します。

各類型の特徴比較

信販系は、法人契約、社宅、安定収入のある個人、カード決済を希望する入居者と相性がよい場合があります。管理会社にとっては、入金データや決済データを管理システムへ連携しやすい点が利点です。一方で、審査否決時に理由が詳細に開示されないことが多く、募集担当が次の選択肢をすぐ提示できないと申込機会を失います。

LICC系は、支払い履歴を重く見る審査で滞納リスク管理を重視する物件に向く、と長く説明されてきました。ただし前述のとおり、その裏づけだった協会横断のデータベースは2026年3月末で終わっています。

現在の通過傾向は、協会加盟の有無ではなく各社の審査方針で見るしかありません。滞納歴がある申込者や収入が不安定な申込者で通過率が下がる傾向自体は続くと考えられますが、そこは実績値で確かめます。

生活保護受給者、高齢者、外国籍の方など、住宅確保要配慮者の受け入れでは代替商品も準備します。

CGO系は、賃貸保証事業自主ルールがあるため、契約前の説明、求償権の行使、相談窓口といった運用面の基準がそろっています。ルールに違反した会員には退会勧告や除名の手続きが定められており、苦情対応の経路を管理会社が説明しやすくなります。

ただし加盟は品質の保証ではないので、保証範囲と送金条件は他の類型と同じように個別に確認します。

独立系は、収入証明、勤務先確認、緊急連絡先、管理会社との関係性などを含めて審査するため、他社で否決された申込者の受け皿になることがあります。地域密着の管理会社では、担当者のレスポンスや現場対応が選定理由になることもあります。ただし、会社によって保証範囲や求償手法の差が大きいため、パンフレットの見やすさだけで判断しないことが大切です。

大手保証会社は複数の商品を持ち、同じ会社でも審査ルートによって通過傾向が変わります。実績を集計するときに会社名だけで束ねると、通過率も代位弁済日数も平均に埋もれて使えません。台帳は物件・部屋・入居者ごとに、会社名と商品名、審査ルートをセットで記録します。

評価指標1: 保証範囲

保証会社比較で最初に見るべき項目は保証範囲です。家賃を保証すると書かれていても、対象費目と上限は会社ごとに異なります。管理会社の事故報告で差戻しが多い原因も、保証対象外の費目を混ぜて請求していることにあります。

費目比較ポイント
月額賃料何か月分まで、共益費を含むか
駐車場代別契約でも対象か、台数制限はあるか
更新料地域慣習や契約条項に対応するか
原状回復費借主負担分、上限、退去後請求期限
明渡し費用訴訟費用、弁護士費用、執行費用の範囲
残置物処分費上限、所有権放棄書、法的手続きの条件
遅延損害金利率、請求方法、消費者契約法との整合
短期解約違約金保証対象か、契約書記載が必要か

原状回復費や残置物処分費は、保証対象と書かれていても、退去立会い、見積書、写真、借主負担根拠、請求期限が条件になることがあります。明渡し費用も、任意退去なのか、訴訟なのか、強制執行なのかで扱いが変わります。

オーナーに説明するときは、「家賃保証会社が入っているので退去費用も出ます」と断定しないことです。保証範囲表を添付し、対象費目と上限を明確にします。退去精算との関係は原状回復費用の勘定科目と税務処理も確認してください。

評価指標2: 代位弁済日数と送金スピード

次に重要なのが代位弁済までの日数です。オーナー送金の締め日が毎月10日なのに、保証会社からの入金が15日以降になる商品では、管理会社が一時的に未収を抱えるか、オーナー送金を遅らせることになります。

比較する項目は次の通りです。

  • 滞納発生日から事故報告までの期限
  • 事故報告後、代位弁済請求までの期限
  • 毎月の締め日、送金日、営業日計算
  • 差戻し時の再提出期限
  • 入居者が一部入金した場合の精算方法
  • 管理会社口座かオーナー口座か
  • CSV・API・管理画面で入金データを取得できるか

送金スピードだけを見ても足りません。請求期限が短く、必要書類が多く、差戻しが厳しい会社では、日数が短くても担当者の実務負担は増えます。反対に、送金までの日数がやや長くても、管理画面が分かりやすく、差戻しが少なく、入金データが自動連携できる会社の方が運用しやすい場合があります。

管理会社では、保証会社ごとに実績値を取ります。事故報告日、請求日、受付日、送金日、差戻し理由を記録し、月次で平均日数と遅延件数を確認します。特定会社の印象ではなく、実績データで評価するとオーナー説明がしやすくなります。

評価指標3: 審査基準と通過率

審査基準は、入居率と滞納率の両方に影響します。審査が厳しすぎれば申込が流れやすく、柔軟すぎれば滞納や求償トラブルが増える可能性があります。管理会社は、物件ごとの入居者層に合わせて複数の保証会社を使い分けます。

審査で見られる主な項目は、本人確認、収入、勤務先、勤続年数、雇用形態、家賃と収入のバランス、過去の支払い履歴、緊急連絡先、反社会的勢力でないことなどです。

信販系では信用情報が関係する場合があります。LICC系については、協会のデータベースが2026年3月末で終了したため、以降は各社が自社で持つ利用履歴や申込内容にもとづく審査になります。独立系では自社利用履歴や管理会社からの補足資料が評価されることがあります。

通過率を見るときは、単純な承認率ではなく、次のように分けます。

区分見るべき理由
物件種別別単身、ファミリー、店舗、事務所で審査傾向が違う
賃料帯別高額物件と低額物件で収入倍率が違う
属性別法人、個人事業主、外国籍、高齢者で補足資料が違う
否決理由別連絡不通、収入不足、信用情報、書類不備を分ける
代替承認率第2保証会社で救えた申込を把握する

審査否決時の導線も重要です。第一保証会社で否決された場合、同じ日に第二保証会社へ出せるか、追加書類で再審査できるか、連帯保証人併用で承認されるかを決めておきます。客付け担当が迷うと、申込者は別物件へ移ります。

評価指標4: 保証委託契約書に差し止められた条項が残っていないか

保証範囲や送金条件は比較しても、保証会社と借主が結ぶ保証委託契約書の中身までは見ていないという管理会社は少なくありません。ここは選定の必須項目です。

令和4年12月12日の最高裁判決(最高裁判所 令和3年(受)第987号)は、家賃債務保証業者の保証委託契約にあった2つの条項について、消費者契約法10条に該当するとして、同法12条3項にもとづく使用の差止めを認めました。国土交通省は登録事業者と加盟団体に対し、同様の条項を使わないよう周知しています。

約款で必ず確認する2つの条項 最高裁 令和4年12月12日判決で差し止められた条項 1 無催告解除の条項 所定の賃料等の支払遅滞があれば、保証会社が 何らの限定もなく賃貸借契約を無催告で解除できる 2 明渡しみなしの条項 契約が終了していないのに、保証会社が 明渡しがあったものとみなすことができる 同様の条項は消費者契約法10条に該当し得る
国土交通省が登録事業者と加盟団体に、この2条項を使わないよう周知している。

管理会社が確認するのは次の点です。

  • 現在使っている保証会社の保証委託契約書に、上記2条項と同様と認められる条項が残っていないか
  • 残っている場合、いつまでに改訂されるのか。改訂版の様式はいつから使うのか
  • 自社が入居者へ渡している書類一式に、旧様式が混ざっていないか
  • 原契約(賃貸借契約)の解除は貸主が判断するものであり、保証会社が単独で解除や明渡しを進める建て付けになっていないか

この確認を怠ると、保証会社の問題であっても、書類を渡した管理会社が入居者から説明を求められます。契約書の様式は改訂されることがあるので、採用時に一度見て終わりにせず、更新のたびに差分を確認します。

業界団体加盟の意味

家賃保証会社の比較では、業界団体への加盟も確認します。代表的なものは、一般社団法人 全国賃貸保証業協会(LICC)、一般社団法人 全国保証機構(CGO)、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の家賃債務保証事業者協議会です。

加盟を見る意味は「情報共有があるか」ではなく「自主ルールで何が縛られているか」に移っています。LICCの家賃情報データベースが2026年3月末で終わったことで、情報共有を理由に加盟を評価する見方は使えなくなりました。

CGOの賃貸保証事業自主ルールは、会員が守るべきことを条文で定めています。管理会社が読んでおくと、入居者への説明や苦情対応の経路を組み立てやすくなります。

自主ルールの条項会員に求められること
第4条 契約内容等の説明商号・所在地・相談窓口、保証の範囲と内容、費用・期間・更新、求償権の内容(遅延損害金を含む)を、契約締結前にわかりやすく説明する
第5条 申込者の審査公正に審査する。信用情報を目的外に使わない。必要性を欠く事実の調査を行わない
第6条 求償権の定め利息制限法、消費者契約法(特に10条)などを遵守する
第7条 求償権の行使賃借人の平穏な生活を侵害する行為を行わない。貼紙の掲示などで滞納の事実を知らせない。従業者証明書を携帯し、求めがあれば呈示する
第9条 相談窓口賃借人からの相談・苦情に応じる窓口を設置する
第11条 違反措置違反が明らかになった場合、退会勧告または除名の手続きがある

第4条が定める説明の主体は保証会社であって、管理会社の宅建業法・賃貸住宅管理業法上の説明義務とは別のものです。ただし実務では、保証会社が説明すべき事項を仲介・管理の担当者が代わりに伝える場面が多くあります。渡す資料に費用・期間・更新・求償権が書かれているかを社内で点検しておきます。

ただし、業界団体加盟は万能な品質保証ではありません。加盟会社でも、商品、担当者、地域拠点、管理画面、求償対応には差があります。加盟の有無は、国交省登録の有無、保証範囲、送金実績、苦情件数、財務基盤と合わせて評価します。

苦情対応の観点では、入居者が保証会社の督促に不安を感じた場合、どこへ相談できるかを確認します。保証会社の社内相談窓口、業界団体の案内、消費生活センター、弁護士相談など、段階別に案内できる状態が望ましいです。

国交省の登録と認定を分けて確認する

国土交通省の制度は2つあり、混同すると選定基準がぶれます。

登録家賃債務保証業者制度は、業務の適正化を図るための任意の登録制度です(平成29年10月施行)。登録しなくても家賃債務保証業を営むことはできますが、登録業者一覧は会社選定の確認資料になります。登録業者数は123者です(令和8年8月13日時点)。

一覧では事業者名、本社所在地、登録番号、詳細情報を確認できます。詳細情報では、主な保証範囲、営業地域、外国人対応、相談窓口などがわかる場合があります。

認定家賃債務保証業者制度は、改正住宅セーフティネット法にもとづいて2025年10月1日に始まった新しい制度です。住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を、登録業者などから国土交通大臣が認定します。根拠は住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の第七章(第72条〜第80条)です。

認定事業者は12者です(令和8年7月31日時点)。登録123者に対して約1割にとどまります。ただしこの制度は住宅確保要配慮者の利用しやすさを見るものなので、高齢者や生活保護受給者、外国籍の方を受け入れる物件で重み付けを上げる基準として使います。一般の物件で認定業者が品質的に優れている、という意味ではありません。

制度位置づけ事業者数管理会社の使い方
登録任意の登録(平成29年〜)123者(令和8年8月13日時点)入口の確認。登録番号と詳細情報を保存する
認定要配慮者が利用しやすい業者を大臣が認定(2025年10月〜)12者(令和8年7月31日時点)高齢者・生活保護受給者・外国籍など、要配慮者を受け入れる物件の選定基準

認定を受けている12者には、一般財団法人高齢者住宅財団、エルズサポート、レントエール、一般財団法人東京公社住宅サービス、ジェイリース、USEN TRUST、ナップ賃貸保証、いえらぶパートナーズ、スリーエー、アーク、あんしん保証、特定非営利活動法人eナビステーションりあんが並びます。

ここでも類型は交差します。エルズサポートはLICC正会員・CGO正会員・認定業者の3つすべてに名前があり、アークもLICCとCGOの双方に加盟したうえで認定を受けています。類型のラベルより、登録番号・認定番号という具体的な事実のほうが、オーナー説明の材料になります。

外国籍の入居者を受け入れる物件では、国交省が別に公開している「外国人の言語対応サポートを行っている登録家賃債務保証業者一覧」も確認します。掲載は52者です(令和7年12月31日時点)。対応言語まで載っているので、申込時にどこまで通訳を挟む必要があるかを事前に見積もれます。

管理会社の社内ルールでは、採用前に次の資料を保存します。

  • 国交省登録業者一覧の該当ページまたは詳細情報
  • 保証会社の会社概要、資本金、決算情報の確認資料
  • 保証範囲表、管理会社向け約款、代位弁済ルール
  • 個人情報取扱い、反社会的勢力排除、苦情窓口
  • 管理画面の操作マニュアル、CSV仕様、締め日一覧

登録の有無だけで採用可否を決めると、実務に合わない会社を選ぶことがあります。たとえば、登録業者でも自社エリアに拠点が少ない、送金サイクルがオーナー送金と合わない、店舗・事務所保証に弱い、外国籍入居者の審査に時間がかかる、といったことがあります。登録確認は入口であり、実務評価は別に行います。

管理会社向け選定表

保証会社を比較するときは、営業資料を並べるだけでなく、自社の管理フローに合わせた点検表を作ります。次の表をベースに、物件種別ごとに重み付けを変えると使いやすくなります。

評価項目確認資料評価の見方
国交省登録登録業者一覧任意登録の有無と登録番号
国交省認定認定業者一覧認定番号の有無。要配慮者受け入れ物件で重み付けを上げる
差止め条項保証委託契約書無催告解除・明渡しみなしの条項が残っていないか
団体加盟LICC・CGOの公式会員一覧自主ルールの適用範囲と相談窓口
保証範囲約款、保証範囲表家賃以外の費目、上限、免責
送金条件管理会社向けルール締め日、送金日、差戻し
審査申込書、審査フロー通過率、否決時の代替策
システム管理画面、CSV仕様入金消込、台帳連携、権限管理
苦情対応窓口、自主ルール求償時の相談経路と、平穏な生活を侵害しない運用
経理請求書、インボイス保証料・手数料・立替金の処理
契約更新更新保証料ルール保証継続、名義変更、未払い時対応

評価表は採用時だけでなく、採用後の見直しにも使います。半年ごとに、申込件数、承認率、滞納発生件数、代位弁済請求件数、入金日数、差戻し件数、苦情件数を保証会社別に集計します。募集部門と管理部門の評価がずれる場合は、数値を見ながら商品を使い分けます。

2社・3社併用の考え方

管理会社が1社だけを使うと、業務は標準化しやすくなります。申込書、審査、管理画面、代位弁済請求、精算が一本化され、担当者教育も簡単です。しかし、審査否決時の受け皿がなくなり、送金遅延やシステム障害が起きたときの影響を一手に受けます。

複数社を併用する場合は、第一保証会社、第二保証会社、特殊属性向け保証会社の役割を決めます。単身者向け、ファミリー向け、高齢者向け、外国籍入居者向け、店舗・事務所向けで商品を分ける方法もあります。併用時は、保証範囲や代位弁済期限が混ざらないよう、物件・部屋・入居者ごとに保証会社と商品名を台帳で管理します。

オーナーへの説明では、「当社ではこの保証会社だけです」と押し切るより、物件特性に合わせて選定理由を示す方が納得されやすくなります。入居率を重視する物件では審査柔軟性、滞納履歴が多い物件では保証範囲と送金実績、法人テナントでは事業用保証の実績を重視します。

まとめ

家賃保証会社の比較では、信販系・LICC系・CGO系・独立系という類型を入口にしつつ、保証範囲、代位弁済日数、審査通過率、保証委託契約書の条項、団体の自主ルール、国交省の登録と認定を総合して見ます。類型のラベルだけでは採否は決められません。最終的な判断は、商品名・保証範囲・運用実績で行います。ランキング形式の記事は入口にはなりますが、管理会社の実務では物件別の評価表が必要です。

前提が変わった点は社内資料に反映します。LICCの家賃情報データベースは2026年3月末で終わり、認定家賃債務保証業者制度は2025年10月に始まりました。説明資料を1年以上更新していないなら、この2つは確実に古くなっています。

採用後は、事故報告漏れ、差戻し、送金遅延、入居者苦情を定期集計します。保証会社を変える場合は、新規募集から始めるのか、更新時に切り替えるのか、既存入居者の保証契約をどう扱うのかまで設計します。

保証会社の基本構造は家賃保証会社のオーナー活用ガイド、滞納時の請求は家賃保証会社滞納の連携実務も確認してください。

関連法令・出典

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よくある質問

信販系・LICC系・CGO系・独立系どれを選ぶべきですか?
一律に優劣は決められません。信販系は信用情報を使う審査や決済連携に強みがありますが、否決時の代替策が必要です。LICC系は全国賃貸保証業協会の正会員ですが、協会の家賃情報データベースは2026年3月末で運用を終了しました。CGO系は全国保証機構の会員で、説明義務や求償権行使を定めた自主ルールがあります。独立系は柔軟な審査や地域対応に強い場合があります。会社名で類型を決めず、商品名・保証範囲・審査ルートで選びます。
LICCの家賃情報データベースはまだ使われていますか?
使われていません。LICCが2010年から運用してきた代位弁済情報(家賃情報)データベースは、2026年3月末日で運用を終了し、協会が保有していた情報はすべて破棄されました。借主本人による開示請求の手続きも終了しています。社内マニュアルやオーナー向け資料に「LICC加盟だから滞納履歴が見える」と書いている場合は、記述を改める必要があります。
保証範囲はどう比較しますか?
家賃、共益費、駐車場代、更新料、原状回復費、明渡し費用、残置物処分費、訴訟費用を分けて確認します。月額賃料等の何か月分までか、退去後費用を含むか、短期解約違約金や水道光熱費を含むかも重要です。パンフレットではなく約款・保証範囲表で見ます。
代位弁済の日数はどう調べますか?
保証会社の管理会社向け約款、業務委託契約、管理画面の請求ルールで確認します。滞納発生日から何日以内に事故報告が必要か、毎月何日締めで何営業日後に送金されるか、差戻し時の再提出期限まで見ます。既存利用物件があるなら実績日数も集計します。
業界団体加盟の意味は何ですか?
自主ルールで何が縛られているかを見る材料になります。CGO(全国保証機構)の賃貸保証事業自主ルールは、契約前の説明、公正な審査、求償権行使での禁止行為、相談窓口の設置、違反時の退会勧告・除名までを条文で定めています。LICC(全国賃貸保証業協会)の家賃情報データベースは2026年3月末で運用を終了したため、情報共有を理由に加盟を評価する見方は使えません。加盟だけで苦情が起きないわけではないので、国交省の登録・認定、保証範囲、送金実績と合わせて判断します。
国交省の登録と認定は何が違いますか?
登録は平成29年から続く任意の制度で、業務の適正化が目的です。登録事業者数は123者です(令和8年8月13日時点)。認定は改正住宅セーフティネット法にもとづき2025年10月1日に始まった制度で、住宅確保要配慮者が利用しやすい業者を国土交通大臣が認定します。認定事業者数は12者です(令和8年7月31日時点)。高齢者や生活保護受給者、外国籍の方を受け入れる物件では、認定の有無が具体的な選定基準になります。

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